ブログ:今月も棚から一掴み

上田市内の図書館に行ってとりあえず「建築」のコーナーにある関連図書をあれこれ選ばないで束にして読書してみるということを続けていますが今回はご覧のとおり。建築家伊礼さんの詳細図が掲載されている本はでかくてとびぬけてます。伊礼さんの講演は今まで「新建築家技術者集団」の夏のセミナーと「1985」の見学会で2回聞く機会がありました。他にも何冊か読ませていただきましたが住宅雑誌に出てない日がないくらいよくお見掛けします。講演会は沢山の若手の建築家の方も一生懸命メモをとりながら聞き入っていたのが印象的でした。

全体に建物の高さを抑えて、居室の天井も抑えた空間づくりが特徴的。外窓の上端を天井と揃えて外への繋がりを見せたり、椅子に座った時にこの天井高は丁度いい高さを感じます。

人の感覚で7尺という高さは肝になろうかと思っています。7尺は2.1mです。感覚的に「低い」と感じる高さはこれを下回らなければさほど圧迫感は感じませんが設計をしていてはハラハラドキドキの寸法です。作ってみるまでうまくいくかどうか夜も寝られない緊張する寸法です。

降幡建築設計時代、古民家や日本の伝統的な家屋を数多くやってきましたが、天井の高さについては古法によると小壁の高さを畳の数に9㎝、或いは9~12㎝を乗じたものとし、また古法は、小壁の高さを柱の大きさの2.5~3倍にとって天井の高さを決めるとありますが、単純に比例させるのではなく小壁の高さを6畳の部屋では畳数に10.5~13.5㎝、8畳では10.5~12.5㎝、12畳では10.0~9.0㎝、15畳では9.0~7.5㎝を乗ずる、とする説が合理的だそうです。(和室造作集成より)

最近はもう畳の部屋が2間続き、4間続きなんて住宅はめっきり少なくなってきましたのであまりとらわれず自由に楽しく生き生きとした空間を作っていきたいと考えています。ただし、やはりそれはメリハリをつけた美しい空間としたいものですね。

今回、他には知り合いが苦しんでいる化学物質過敏症、シックハウスのことや、コンクリートの建物は木造の住まいより早死にするという過激な発言の多い船瀬俊介さんの本も読んでみました。三井化学、積水化学、名だたる化学薬品メーカーがハウスメーカーをやってるのだから自然や環境、人体に優しいわけないという意見に同意。

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