民家の再生とは単なる修復で終わってはいけません。
旧宿場町でもある追分に建つセガイ造りの古民家でした。
古民家再生の相談で訪れましたが、石場立て工法の基礎の不安定さ(しっかり乗っている建物もあります)や木部の腐れ、接合部の弱さなどを見て判断した結果、新築なみの予算がかかってしまうということが判明しました。お金をかけたわりにはご要望どおりの間取りも確保できないということで住まい手ともよく話し合い新築にすることとしました。
しかし、新築と言ってもただの新築ではありません。道路側の建物はそっくりバラシて修復し後ろ側の新築部分と合体して作り上げました。住まい手の「なんとか再生したい」というお気持ちはこの追分の景観や建物を守りたいという強い願いと察し、外観のディテールや材料も含めそのまま再現することとしました。担当してくれた石井工務店さんの技術力にも敬服です。