今年の冬から着工した市内にある旧家のリフォーム工事が完成しました。
築100年の古民家の北側に30年前に増築した建物があり、今回はその部分を家族の暮らしの中心に考え改修工事を施しました。
これは改修前の写真です。動線上重要な場所が廊下のような部屋になってしまっているのでここをLDKにしようと考えました。
プランの邪魔になる柱なども構造的な問題を充分検討し、工務店さんとも段取りをよく話し合い、なんどもシュミレーションをして工事に向かいました。
造りながら場に応じてデザインを決めていくというのが改修の面白さですね。
リビング正面の壁。若き左官職人に頑張ってもらいました。
寝室ベッドルームはあえて畳敷の和風空間にしてみました。
ここに見える床の間側の外壁は厚さ70㎜の薄い土壁でした。外壁側はこの夏の暑さにより70℃を超えてすさまじいものでしたが、壁内にバウビオ断熱とアルミ遮熱シートを入れると内壁は29℃と室温なみに抑えることができました。エアコン無しでも涼しさを感じ、また壁の土壁が調湿してくれて快適です。
これは寝室の改修前の状態
これはリビングの以前の状態。正面の壁を耐力壁と寝室のプライバシー確保のためあえて壁にしました。昔から2間続きの和室が和風住宅のステータスのような意識がありますが、そういった先入観を否定して一から生活を見直しプランニングを進めることが大切です。しかし、風通しはしっかり確保できています。
ここは古民家の名称で言うと「オエ」の部分。玄関から入ってきて主人と客人が対面する場所です。一番静かで厳かな場所でなくてはならないと個人的には考えます。