ブログ:2026年 明けましておめでとうございます。

新年に向けて思うこと。

AI時代における建築技術者の仕事

──住み心地をつくる力は、人にしかできない

近年、AIが間取りを自動生成するサービスや、膨大なデータをもとに最適解を導き出す設計支援ツールが次々と登場しています。木造住宅の設計に携わる私たち建築家にとって、こうした技術の進化は無視できないものになってきました。「AIが間取りをつくれるなら、建築家はいらなくなるのではないか」。そんな不安を耳にすることも増えています。

しかし私は、AIがどれほど進化しても、人としての建築家が担うべき領域は確実に残ると考えています。それは単に“間取りを描く”という作業ではなく、「住み心地」や「暮らしの質」をつくるという、本質的な価値の部分です。

AIが得意なこと、人が得意なこと

AIは膨大なデータを処理し、効率的な動線や日当たりの良い配置を瞬時に提案できます。これは確かに便利で、設計の初期段階では大きな助けになるでしょう。しかし、AIが扱えるのはあくまで“数値化できる情報”です。

一方で、住宅の住み心地を決める要素の多くは、数値化できない領域にあります。

  • 家族の価値観
  • 生活の癖やリズム
  • 将来の暮らし方の変化
  • その土地の空気感や匂い
  • 木の質感や陰影がもたらす心理的な落ち着き
  • 住まい手が「ここにいたい」と感じる理由

これらは、図面やデータだけでは読み取れません。住まい手の言葉にならない思いを汲み取り、空間として翻訳するのは、やはり人としての建築家にしかできない仕事ではないでしょうか。

暮らしの物語”を読み解く力

住宅設計の本質は、単なる空間配置ではなく「暮らしの物語をつくること」だと私は思っています。

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