「静岡の住まい」材料検査です。
こちらは地元の天竜杉を利用しています。街中で運送の問題もあり長物は使えません。大工さんの手刻みにより「追っかけ大栓継ぎ」「渡り顎」「台持ち継ぎ」など伝統的な木組で繋いでいきます。
大工さんの技の見せどころです。
加工場には構造図と軸組図と展開図を貼り、大工さんは頭の中に刻んでいきます。昔は「手板」というべニア板に大工さんは書き写して頭にいれていましたが、当時は畳部屋が多く所謂「田の字プラン」というものが主流だったのでそれも可能でした。
最近の住宅、木造の家づくりは動線やロケーションや使い勝手を考え細かく間取りを組み上げているので、書き写すのも相当な手間かと思います。
昔は墨壺、墨差しというもので書いていましたが、線の太さがコントロールしにくい。細いサインペンで墨付けをしたり、先人たちの伝統を重んじながらも合理的な手段を考えるのも大切です。